こんにちは。
今回はIPOトレードのやり方について解説します。
参照はじっちゃまのYouTubeライブになっております。
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米国株のIPO・トレードのやり方
いつも有益な情報をありがとうございます。
IPOのやり方
IPOは指値も成行も入れないのが鉄則です。
- 先ず気配がたちます。
- その後に取引が成立します。
- その後にIPOへの参加、取引を行います。
なぜかというと、やりなおしがきかないからです。
IPOは水物で値段がもの凄く変わるからです。
自分が考えていた水準と全然違う値段でトレードが始まることも、しばしばあります。
その時に注文訂正が出来なかったら、パニックになりますので横着に今から先に注文を入れておくという態度では、IPOの投資は成功しないと思います。
マズいストラテジーだと思います。
とにかに、場が最初の取引が成立した事を確認してから、注文を入れるクセを付けるよう心がけてください。
IPOの方式
IPOの方式はこちらです。
- ブックビルディング方式
- ユニファイドオークション
- ダッチオークション
- ダイレクトリスティング
AIもDASHもRBLX(予定)もユニファイドオークションです。
Uもユニファイドオークションでした。
ブックビルディング方式
需要積み上げ方式とも言われます。
- 主幹事が売り出し価格を大まかに示します。
- その後、投資家に需要を募っていく方法です。
- 口頭でお客さんから聞いて、それをシンジゲート部に伝える。
昔ながらの方法です。
このブックビルディング方式の場合、問題は価格レンジで比較的に固定的です。
なので、投資家がこのディールをとても買いたい!と言う意思表示をしようと思ったら、自ずと沢山の株数を提示する、と言うやり方でしか意思表示がしにくいです。
つまり、株数競争でエスカレートしやすいのです。

例えば「今度のディールは倍率が30倍とか50倍になっている」なんていう事を聞いたことがあると思いますが、この倍率の競争という物は「需要の株数の競争なんです」
それ自体は無意味な競争になると思います。
何故かというと、「ホットディールになるかもしれないな」と投資家が感じたら、予め自分が着地で欲しい株数よりもずっと多い、5倍も10倍も多い株数を欲しいという意思表示をするのです。
なので、その時点で需要が膨らましてある、つまりふかしてあるということですよね。

需要の膨らましが、さらにまた需要の膨らましを呼んで、実際にオーダーブックをシンジゲート部が受け取ったときには、どれが実需で、どれがチャラチャラした見せ玉か、ふかされたオーダーか分からなくなってしまいます。
非常にオーダーブックがふにゃふにゃした状態になります。
だから、ホットディールだと思って値決めした物が、蓋を開けてみたら急にバイヤーがいなくなってしまったと、言うことで急落するケースもあると言うことです。
これが昔から伝統的に行われてきたブックビルディング方式です。
ユニファイドオークション
それに対して2番目の引き受け方式「ユニファイドオークション」という物は、もっとモダンなやり方です。
IPOに対して主幹事証券がWebポータルをもうけます。

そのwebサイトに機関投資家が「私は何ドルまで何株欲しい」と言う形で何ドルと株数を書き込んでいく方法です。
シンジゲート部長は、各投資家からの株数と価格の提示を先ず全体としてみます。
そして最多価格帯はここら辺だな!と言う形で需要の分布、そのカーブをみるわけです。
値段を動かした方がいいなと判断した場合、価格設定を引き上げる、と言うことをします。

たとえばドアダッシュの場合は当初の価格は75ドルから85ドルでした。
それが一旦90ドルから95ドルくらいに引き上げられました。
そしてさらに最終的に値決め価格は今回102ドルできまりました。
つまりユニファイドオークションの方が、機関投資家が正直に自分の欲しい株数と価格を提示しやすい、という聞き取り方法になっています。
ブックビルディング方式では価格が、どちらかというと低めに設定されて、株数は多めです。
つまりみんなグリーディに欲深く沢山株数を欲しいと言う形で、インディケーションがなされる。
その関係で値決め価格に比べて上場初値がポーンと高い位置であきやすいのです。
そうすると証券会社からすれば、そのホットディールの株を投資家に配ると言うことは、ある種のご褒美・特別待遇。優遇というフェーバー、つまり贔屓にしているわけです。
そうすると、それに対する見返りも当然要求します。
なのでアフターマーケット、つまり上場後に追加の買い注文を入れて株価を支えてください!と言うような会話が機関投資家向けにセールスとファンドマネージャーの間で、かわされるわけです。
これがブックビルディング方式の場合です。
結果的に、上場初値のアフターマーケットはおのずとお付き合いの買い注文によってプッシュアップされると言うことが起きます。
それに対してユニファイドオークションでは、そういう贔屓・優遇はとくにないわけです。
そうすると、上場後に追加注文を入れる義務もファンドマネージャーはあまり感じないです。
つまり「お付き合いの買い注文を入れない」と言うことになります。

U:ユニティがユニファイドオークションでIPOされたときに、「あれっ!」というような思わぬ低い価格で上場初値のインディケーションが出ました。
それはどうしてかというと、お付き合いの買い注文が無かったからです。
つまり買い需要と売り需要の均衡点が非常に低かったと言うことになります。
結果として、我々投資家目線からすれば、安くユニティの株を仕入れることが出来たわけです。
60ドル台で買えるチャンスがあったわけです。
もの凄く安値だったと思います。
アフターマーケットの買い支えがなかったから低かったわけです。
ダッチオークション
1986年か87年に日本でNTTのIPOで採用された入札方式です。
米国ではGoogleのIPOで採用されました。
ほとんどつかわれることのない方式です。
ダッチオークションのやり方はユニファイドオークションのやり方とかなり似ています。
先ず機関投資家に「あなたが欲しい株数と株価を教えてください」と聞いて回ります。
機関投資家が思い思いに需要を示していきます。
ダッチオークションは一番高い価格を提示した投資家の需要から順番に需要を充足して行くわけです。
そして全部の株数を売り切ったところまでおりてきて、その最低価格で値決めをする。
ユニファイドオークションでは最低価格では値決めをしません。
最多価格に近いと事で値決めをします。

ようするにダッチオークションの場合は、べらぼうに高い価格をファンドマネージャーが提示することによる、ファンドマネージャーが背負い込むリスクがほとんど無いと言うことになります。
何故かというと、1番低い価格で値決めになることが分かっているからです。
そうするとインセンティブとしては、ブックビルディング方式とは全く逆のインセンティブが働きます。
それは何かというと、なるべくアグレッシブな値段を提示しよう!というインセンティブがはたらいてしまいます。
その意味は、需要全体が価格が上のところで提示されるバイアスがはたらくわけです。
思わぬ高値でオークション価格が決まってしまうリスクがあるわけです。

整理するとブックビルディング方式では初値の値段が硬直的です。
株数でしか競争が出来ないので、みんながどんどんふかした注文を入れる。
つまり倍率が50倍や100倍の馬鹿げたオーダーブックになるわけです。

逆にダッチオークションの場合は価格は非常に柔軟性があって、逆にアロケーション・回ってくる株数に硬直性があります。
つまり、みんながべらぼうに高い値段を提示することによって、沢山の株数をアロケートしてもらおうというストラテジーになりやすくなります。
それは、需要の実勢よりも高い値段で公募価格が決まるリスクがある話です。
どの引き受け方式がアフターマーケットで株価上昇が見込めないかと言う話をすれば、ダッチオークションが1番アフターマーケットでの株価の上昇が見込めないと思います。
ダイレクトリスティング
ダイレクトリスティング(引き受け方式ではないが)これは新株の発行を伴わない取引の開始の仕方です。

スラック・スポティファイ・パランティアなどがダイレクトリスティングでした。
これは事前のマーケット行為は一切無しに、いきなり通常の株式と同じように取引が始まります。
その際に実際の実需とマーケティング時の引き受け方式がもたらす歪み・乖離が一切ありません。
それがダイレクトリスティングです。
しかし、ダイレクトリスティングの問題点としては、アンダーライティングです。

つまり主幹事をたてて、きちんと安定株主工作をしながら、大口の機関投資家にはめ込みをしない関係上、非常にアフターマーケットでのトレードがふにゃふにゃしやすいという問題点があります。

加えて、ロックアップ契約がないので、ベンチャーキャピタルなど、一足先に投資をしている投資家は自由にアフターマーケットで持ち株を売却することが出来る、と言うことです。
主にダイレクトリスティングの手法を選ぶ企業は、どちらの方に向いて仕事をしているかというと、ベンチャーキャピタルにむけて仕事をしているわけです。
そういったリスクがあります。
ブロークンディール
IPOで値決め価格を割ったディールのことをブロークン・ディールと言います。
公募価格を割れるディールは売り物が殺到し株価上昇は期待できないです。
投げ売りが相次ぐことも多く安易に「安い!」と思って慌てて出動してはいけません。
じっくり売り物が切れるまで待つことがおすすめです。
なので上場初日、もしくは2日目あたりにムリしてその銘柄を買う必要はないかもしれません。
以上米国株IPOのやり方・手順のご紹介となりました。